当院は厚労省の定める【口管強】の施設基準を満たしています

一般歯科

フッ素は大人の虫歯予防にも効果があるか。

はい、効果があります。

フッ素は歯を酸に強くし、初期むし歯の進行を抑えるはたらきがあります。大人では歯ぐきが下がって根の面(象牙質)が露出しやすいため、根面むし歯の予防に特に有効です(注1)。


なぜ効くの?(しくみ)

  • 脱灰の抑制・再石灰化の促進:酸で溶けかけた歯の表面にカルシウムやリンが戻るのを助けます(注2)。
  • “少量を継続的に”がポイント:口の中に少量のフッ素が毎日繰り返し存在することが、むし歯抑制効果を最大化します(注3)。

大人の具体的な使い方(6歳以上〜成人・高齢者)

  1. 歯磨剤の濃度:1,400〜1,500ppm(市販は1,450ppmが主流)(注1)
  2. 使う量:歯ブラシの毛の部分全体(約1.5〜2cm)(注1)
  3. 回数:1日2回、とくに就寝前を含めて(注1)
  4. すすぎ方:みがいた後は吐き出すだけ、または少量の水で1回のみ(注1)

日本では高濃度(1000ppm超〜1500ppm以下)の薬用歯みがきが承認され、6歳未満は使用を控える注意表示が義務化されています(注4)。


どんな人に特におすすめ?

  • 歯ぐきが下がって根が見えはじめた人(根面う蝕リスク)
  • ドライマウス(薬の影響・加齢など)、矯正装置・義歯で清掃が難しい人
  • むし歯経験が多い/甘い飲食が多い人

こうした方は、1450ppm歯磨剤+就寝前の正しい使い方が特に効果的です(注1、注3)。


歯科医院でできる追加ケア

  • 高濃度フッ素塗布:歯科で行う処置(例:2%NaF=約9,000ppm)は根面むし歯予防に有効(注5)。
  • フッ化物洗口:指導のもとでフッ化ナトリウム溶液(5〜10mL)を1分ぶくぶく。成人でも補助的に可能(注6)。

安全性と国際的な推奨

  • 日本では1500ppm以下の範囲で承認されており、成人の通常使用での安全性は確立しています(注4)。
  • WHOは「1000〜1500ppmのフッ素入り歯磨剤で1日2回」を生涯にわたり推奨(注7)。
  • CDCも「すべての年齢で、頻回に少量のフッ素に触れること」を推奨し、大人にも利益があると明言しています(注3)。

まとめ

  • 大人でもフッ素は有効。特に根面むし歯予防に役立つ(注1)。
  • 日常は1450ppm前後の歯磨剤を1日2回(就寝前は必須)少量うがいで効果アップ(注1)。
  • リスクが高い方は、専門的フッ素塗布や洗口の併用を検討(注5、注6)。

注釈(出典一覧)

  • 注1 厚生労働省 e-ヘルスネット「フッ化物配合歯磨剤」:6歳以上は1,400〜1,500ppmを推奨、成人・高齢者の根面う蝕に有効
  • 注2 ScienceDirect:フッ素の再石灰化・脱灰抑制メカニズム
  • 注3 CDC(米国疾病予防管理センター):大人もフッ素曝露から利益を得られる、“少量を継続的に”が重要
  • 注4 東京都保健医療局:薬用歯みがきのフッ素濃度上限を1500ppmに改正、注意表示の義務化
  • 注5 厚生労働省 歯科保健指針:高濃度フッ化ナトリウム塗布の効果(約9000ppm)
  • 注6 文部科学省 学校歯科保健:フッ化物洗口の実施方法(5〜10mLで1分洗口)
  • 注7 WHO Oral Health Fact Sheet:1000〜1500ppm歯磨剤を用いた1日2回のブラッシング推奨

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