噛み締めとは?
日中の仕事中や夜寝ているときに、無意識のうちに「ギュッ」と歯を噛み締めていませんか?
これを**「噛み締め」や「歯ぎしり(ブリキシズム)」**と呼びます。
実は、これは「食事や会話」などの目的がない時に、歯を強く合わせてしまう**“クセ”**の一種です。
日本人の約2~3割に見られるともいわれ、誰でも起こりうる身近な習慣です。
なぜ良くないの?
一見たいしたことがないように思えますが、実は噛み締めを続けると、さまざまなトラブルの原因になります。
歯への影響
- 歯や詰め物・被せ物が欠ける、割れる
- 歯のすり減り(摩耗)が進む
- 知覚過敏(冷たいものがしみる)が悪化する
強い力が長時間かかることで、歯に大きなストレスがかかってしまうのです。
顎・筋肉への影響
- 朝起きたときに「顎がだるい」「こわばっている」
- 咬筋(頬の筋肉)が張っている
- 顎関節が「カクッ」と鳴る、痛む
噛み締めは、顎関節症(TMD)や筋肉の痛みを引き起こすきっかけになることもあります。
全身への影響
睡眠中の歯ぎしりは、自律神経が興奮して眠りが浅くなることがあります。
また、いびきや睡眠時無呼吸との関係も指摘されています。
どうすればいいの?
① まず「気づく」ことが第一歩
日中の噛み締めは「意識すれば防げる」ことが多いです。
パソコン作業やスマホを見ている時、運転中、集中している時などに歯が当たっていないか気をつけてみましょう。
ポイントは「リラックスしたとき、上下の歯は軽く離れている」状態です。
意識的に「歯を離す」「肩の力を抜く」だけでも改善につながります。
② 就寝時はマウスピースで歯を守る
寝ている間の歯ぎしり・噛み締めはコントロールが難しいため、
歯科医院で作る**ナイトガード(マウスピース)**を使うことで、
歯や被せ物を守ることができます。
保険適用で作製でき、透明で違和感が少ないタイプが一般的です。
③ ストレスと上手につき合う
噛み締めはストレスや緊張、不安などの影響を受けやすいといわれています。
軽い運動・深呼吸・睡眠の質を整えることも大切です。
当院でできること
研究学園歯科では、
- 噛み締め・歯ぎしりのチェック(問診・歯の摩耗・顎関節の確認)
- マウスピースの作製
- 咬筋マッサージやセルフケア指導
- ストレス・生活習慣アドバイス
を行っています。
「朝、顎がだるい」「歯が欠けやすい」「家族に歯ぎしりを指摘された」など、気になる方は早めにご相談ください。
まとめ
- 噛み締めは“クセ”の一種で、多くの人に見られます。
- 放っておくと、歯・顎・全身に悪影響を及ぼすことがあります。
- 意識して歯を離す・マウスピースを活用することで予防できます。
小さな意識で、歯を長く守ることができます。
気になる方は、一度ご相談ください。
参考文献・公式情報
- 日本顎関節学会「顎関節症診療ガイドライン2023」
- Lavigne GJ et al. Sleep Bruxism: An Updated Review. JADA 2021
- Lobbezoo F, et al. Bruxism defined and graded: An international consensus. J Oral Rehabil 2013
- Mayo Clinic “Bruxism (teeth grinding)” (2024 update)
- Sleep Foundation “What is Bruxism?” (2023 update)
(監修:研究学園歯科)