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インプラント

インプラントはどのくらい持つのか。(ストローマンインプラントの場合)

ストローマンインプラントは多くのインプラントの中でも最も信頼できるインプラントで

歯科医師にも人気です。デメリットとしては高価格なことくらいでしょうか。


ストローマン(Straumann)インプラントの**10 年累積生存率は概ね 95 〜 99 %(代表値 97 〜 98 %)**と報告されています。これは現行インプラントシステムの中でも極めて高い水準です。(straumann.com, pubmed.ncbi.nlm.nih.gov, straumann.com)


根拠/詳細(主な長期臨床研究)

研究デザイン・症例数表面/条件10 年生存率*補足
Buser et al., 2012回顧 511本SLA98.8 %成功率 97.0 % (straumann.com)
Prospective cohort(374本)前向きSLA99.7 %(インプラントレベル)Peri-implantitis 7 % (pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
Nicolau et al. RCT, 10 年多施設 RCT 98本SLActive/即時〜早期荷重98.2 %Posterior 荷重症例 (straumann.com)
Schimmel et al., 4591本開業医回顧(〜7 年)SLA/SLActive7 年 98.4 %→外挿 ≈95 %超大規模プライベートデータ (pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

*生存率(survival rate)は「機能を保ったまま存在している割合」を示し、成功率(成功基準を満たす割合)とは異なります。


背景/前提

  1. 表面処理と素材
    • SLA/SLActive 表面は粗さと化学的親和性により初期骨結合が速く、長期安定性に寄与すると考えられています。
    • Roxolid(Ti-Zr 合金)は細径でも高強度を維持し、既報では同等かやや高い長期成績が示唆されています(15 年 96 〜 98 %の報告多数)。(research-repository.griffith.edu.au)
  2. リスクファクター
    喫煙・GBR併用・早期荷重・周囲骨質・口腔衛生などが長期成績に影響します。適切な術式選択とメンテナンスが不可欠です。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

補足/注意点

  • **生存率の幅(95 〜 99 %)**は研究デザイン、患者背景、成功基準の違いによるものです。複数データの中央値(約97 〜 98 %)が臨床的な目安となります。
  • 成功率は生存率よりやや低く(例:Buser 研究 97 %)、辺縁骨吸収量や炎症の有無を含む厳格な指標で評価されます。
  • 長期メンテナンス(年2 回以上のプロフェッショナルケア・セルフケア指導)は 10 年後の成功率維持に直結します。
  • 15 年・20 年以上の超長期報告も増加傾向にあり、概ね 90 %台後半を維持していますが症例数は限定的です。

まとめ
ストローマンインプラントは、複数の大規模・長期研究で **10 年 95 〜 99 %**という非常に高い生存率が証明されています。適切な症例選択と術後メンテナンスを行えば、20 年近い長期でも高い臨床信頼性が期待できます。

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