インプラントは適切なケアを行えばかなり長持ちすることがわかっております。
喫煙習慣があったり手入れをしないとインプラント周囲炎という状態になり抜け落ちてしまいます。
- オステム(Osstem Implant Co., Ltd.)製インプラントの10年累積生存率は、文献報告を総合すると概ね 94〜97 % の範囲に収まる。
- 代表的な報告値
- 短径7-8 mm GS II(下顎臼歯部単独植立) 10年CSR = 96.7 % (jdir.org)
- 上顎洞挙上併用症例(Osstem主体コホート) 10年CSR = 96.04 % (sciencedirect.com)
- SA(SLA)表面Osstemインプラント 10年CSR = 94.8 % (researchgate.net)
- 大規模7年追跡では95.37 %が報告されており(467本)10年時点でも95 %前後を維持する傾向が示唆される (pmc.ncbi.nlm.nih.gov)
根拠/詳細
研究 | 対象本数・期間 | インプラント仕様 | 10年生存率(CSR) | 主なリスク因子 |
---|---|---|---|---|
Ku & Kim 2023 | 7 mm/8 mm GS II 89本・平均10.2年 | RBM→SLA粗面・内接続 | 96.7 % | 抜歯創条件より骨質が有意因子(jdir.org) |
Int J Oral Maxillofac Surg 2020 | 上顎洞挙上後Osstem/BioHorizons計138本・10年 | SA粗面 | 96.04 % | 喫煙・上顎後方位で低下(sciencedirect.com) |
Retrospective SA study 2017 | SA粗面Osstem 370本・10年 | SA粗面 | 94.8 % | 喫煙・上顎埋入が有意(researchgate.net) |
Kim et al. 2014 | Osstem US/SS/GS II 他 467本・7年 | RBM/SA混在 | 95.37 % | 大径・早期荷重・骨造成歴(pmc.ncbi.nlm.nih.gov) |
- 表面処理別特性
- RBM→SA→CA と改良が進み、初期固定・骨伝導性が向上。
- 症例・術式差
- 上顎洞挙上や即時荷重など高難度症例を含む場合でも、生存率は概ね95 %前後を維持。
- 観察期間の限界
- 完全な10年以上の前向きデータは少なく、後ろ向き解析が中心。
補足/臨床上の注意点
- 患者因子:喫煙、糖尿病、骨粗鬆症は長期成績を有意に低下させ得る。
- メインテナンス:10年以降のトラブルは生物学的合併症(周囲炎)と機械的破折が主。定期検診と咬合管理でリスクを最小化できる。
- 機種選択:骨量が乏しい部位では短径・超広径体(Ultra-Wide)も高い10年CSR(>95 %)が報告されているが、技術的要件が増すためガイドラインに沿ったドリリングが必須。
- エビデンスの質:多施設・大規模な前向きコホートがまだ限られるため、今後も症例登録研究によるアップデートが望まれる。
まとめ
オステムインプラントは10年間で**おおむね95〜97 %**の高い累積生存率を示しており、適切な症例選択とメインテナンスを行えば長期的に信頼性の高い治療手段となる。